抗がん剤治療における骨髄抑制と
感染症対策

はじめに

がんの薬物療法では、しばしば体の抵抗力が弱くなったり、めまいなどの貧血症状や出血が止まりにくくなったりする副作用が出現します。現れる症状や病態は、使用される薬剤や患者さんの体の状態などによって異なります。

これらの症状は、一般的に「骨髄抑制(こつずいよくせい)」と言われ、私たちの体を循環している「血液」の生産が抑えられてしまうために起こります。そのため、治療を継続して行えるかを判断する大きな要素にもなっていたり、重症になると命に関わったりする場合もあります。

しかし、過度の心配はいりません。薬物療法を行ってきた経験から、安全に治療を行っていく方法や注意をしていくポイントなどがわかっているので、予防対策を行っていくことができます。ただ、そこには患者さん自身が正しい知識を身につけ、予防対策を実践していくことが大切になります。

このコンテンツは、「骨髄抑制」とはどのような状態なのか、また感染対策を中心に、日常生活を送る上での心構えや対処法についてまとめています。これらの情報を知ることで、単に恐れるのではなく、正しい予防対策の知識やそのための生活習慣を身につけることが可能となるでしょう。そして、それが治療を継続させていくことにもつながります。このコンテンツが、がんの薬物療法を受ける患者さんのお役に立つことを、心から祈っております。

このコンテンツは、静岡県立静岡がんセンター発行の冊子「抗がん剤治療における骨髄抑制と感染症対策」(2022年2月第2版発行)を基に制作したものです。

監修:静岡県立静岡がんセンター

名誉総長 山口 建

制作:静岡県立静岡がんセンター

副院長 安井 博史
感染症内科部長 倉井 華子
支持療法センター長/皮膚科 清原 祥夫
歯科口腔外科部長 百合草 健圭志
がん薬物療法認定薬剤師 金子 美智子
看護部看護師長/感染管理認定看護師 工藤 友子
がん看護専門看護師/がん化学療法看護認定看護師 松山 円
管理栄養士 青山 高
疾病管理センター看護師長 廣瀬 弥生
疾病管理センター 阿多 詩子

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