抗がん剤治療における骨髄抑制と
感染症対策

がん薬物療法と骨髄抑制 自身の状態を知り、対処しましょう

がん薬物療法中に起こる副作用の中で、「骨髄抑制(こつずいよくせい)」は多くの薬剤で起こり得る副作用です。症状は、体の抵抗力が弱くなったり、めまいや頭痛などの貧血症状や血が止まりにくいというようなものです。症状の現れ方や程度は、使用する薬剤の種類や組み合わせ、投与量、投与方法、治療歴、患者さんの体の状態によっても異なります。これらの症状は、重症になると命にも関わってくるので、薬物療法の継続を判断する重要な要素です。また、吐き気や脱毛などの副作用と異なり、見た目ではわからないし、直ぐには自覚症状も現れないので、注意深く経過をみていくことが必要な副作用です。そのため薬物療法中には、定期的に血液検査が行われます。

「骨髄抑制」については、のちほど詳しく述べますが(骨髄の機能と骨髄抑制、原因など参照)、一般的には馴染みがない言葉なので、まずは簡単に説明します。「体の抵抗力が弱くなる」や「貧血症状」、「血が止まりにくい」といった症状は、体の中を循環している「血液の働き」に関係しています。血液の中には、赤血球、白血球、血小板といった成分があり、それぞれ重要な役割を果たしています。今までお伝えした症状は、これらの成分が不足するために起こります。そして、血液は骨の中心にある「骨髄」で造られます。一般的に抗がん剤は分裂が活発な細胞に強く影響します。骨髄も細胞分裂が非常に活発なため、抗がん剤の影響を受けやすく、その結果、骨髄が血液を正常に造ることができなくなります。このことを「骨髄抑制」と言います。

残念ながら骨髄抑制を完全に防ぐ方法はありません。しかし骨髄の機能は回復するので、薬物療法中、いつも注意をしなければいけないということではありません。また、骨髄抑制が起こる時期はある程度予想することができるので、対策を立てることができます。血液検査を受けたら、骨髄抑制の程度を確認しましょう。そしてその時に慌てないように、正しい知識と対処法を身につけましょう。