乳房再建術後の 経過とケア

術後の経過と日常生活

乳房インプラントによる乳房再建術後の経過とケア

術後6ヵ月以降

被膜は完成しているので、動きの制限はありません。多少の衝撃を受けても大丈夫ですが、乳房インプラントを長持ちさせるためには、注意した方がよいでしょう。この時期の体の状態や気をつけたいことは以下のとおりです。

それでは、それぞれについて述べていきます。

感染について

体の中に人工物が入っている状態には変わりありませんので、感染に注意する必要があります。皮膚が赤くなったり、熱を持ったりする場合は、早めに受診をしましょう。たとえ皮膚に傷がなくても、症状があれば受診は必要です。早く対処した場合は、抗生物質の投与で治まることがほとんどです。

破損や被膜チェックのための受診について

破損がないか、被膜拘縮がどの程度進んでいるのかなどのチェックが必要なため、乳房インプラントが入っている間は定期的な受診が必要です。

一般的に受診は、1回/1~2年の間隔です。場合によっては、超音波検査(エコー検査)やMRI検査を行うことがあります。

左右の乳房のバランスが崩れる可能性について

破損や拘縮等が起こらなければ乳房インプラントそのものは変化しませんので、乳房インプラントで再建した胸の形は変わりません。従って、手術をしていない側の乳房が大きくなったり、垂れてきたりすると左右のバランスが崩れます。バランスの崩れが気になるのであれば、再建していない側の乳房の吊り上げの手術や乳房インプラントの入れ替えを検討する必要があります。

それらの手術は患者さんの判断になります。患者さんが「日常生活に支障ない」、「気にならない」と判断すれば、入れ替えなどはする必要はありません。一般的に体重が増加すると、脂肪が豊富な手術をしていない側の乳房は大きくなります。太らないように注意することは大切です。なお、公的保険適用で手術をした場合は、合併症に伴う入れ替えの手術も公的保険適用になります。

適切な下着について

術後の経過が良好でも、乳房インプラントが入っている所の皮膚は薄いので、ワイヤーが入っていない下着の方がよいでしょう。

  • 胸をしっかり支えられる下着を選びましょう
  • 圧迫や締めつけはやめた方がよいでしょう
  • 寄せたり上げたりするタイプのものは控えましょう