抗がん剤治療と皮膚障害

はじめに

がん薬物療法では、殺細胞性(さつさいぼうせい)の抗がん剤(従来型)、新たに開発された分子標的型(ぶんしひょうてきがた)の抗がん剤、ホルモン、サイトカインなどが用いられます。このうち、殺細胞性の抗がん剤や分子標的型の抗がん剤では、しばしば発疹、紅斑、色素沈着などの皮膚の副作用が出現します。現れる症状や病態は、使用される薬剤や患者さんのからだの状態によって異なり、治療を受ける全ての患者さんに出現するわけではありません。また、皮膚の副作用は命に関わることが稀で、患者さんは我慢をし、医療者も十分な対応を行えていないことが多いと思います。しかし、皮膚の副作用では、かゆい、痛いなどの身体的苦痛だけではなく、外見の変化も起こり、心の負担を生じさせ、患者さんの日常生活には大きな影響を及ぼします。

近年のがん治療では、病変の治療にだけ主眼を置くのではなく、患者さんの生活の質をなるべく落さないように考慮されています。しかし、完全に副作用を避けることはできません。一方で、発疹などの副作用の程度が、治療効果を予想するための判断材料になることもあります。そこで、患者さんはご自分に使用される薬剤について正しい知識を持つとともに、薬剤使用開始後の症状をできるだけ正確に医療者に伝えることが大切です。

このコンテンツは、皮膚症状のうち「発疹・紅斑(ほっしん・こうはん」「ざ瘡様皮疹(ざそうようひしん」「手足症候群(てあししょうこうぐん」「色素沈着(しきそちんちゃく」「爪の変化・爪囲炎(そういえん」「皮膚乾燥症」などについて記載しています。これらの情報を知ることで、薬剤の皮膚への副作用を把握し、早期に発見し、適切な対応が可能となるでしょう。
このコンテンツが、がんの薬物療法を受ける患者さんのお役に立つ事を、心から祈っております。

このコンテンツは、静岡県立静岡がんセンター発行の冊子「抗がん剤治療と皮膚障害(2019年8月 第7版)」を基に制作したものです。

監修:静岡県立静岡がんセンター

総長 山口 建

制作:静岡県立静岡がんセンター

皮膚科部長 清原 祥夫
皮膚科医長 吉川 周佐
薬剤部 片山 宏章
化学療法・支持療法センター看護師長/
がん化学療法看護認定看護師
柳田 秀樹
がん化学療法看護認定看護師 岩嵜 優子
疾病管理センター看護師長 廣瀬 弥生
疾病管理センター 阿多 詩子

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