抗がん剤治療と皮膚障害

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- 主な皮膚障害の症状と抗がん剤の種類
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抗がん剤の種類と皮膚障害の症状、原因
薬の種類ごとに解説
主な皮膚障害の症状と抗がん剤の種類
分子標的型の抗がん剤
分子標的型の抗がん剤による主な皮膚障害の症状
主な症状の経過 《分子標的型の抗がん剤(EGFR*阻害薬)の場合》

*EGFR=上皮成長因子受容体
主な症状の解説と起こしやすい分子標的型の抗がん剤
ざ瘡様皮疹(ざそうようひしん) | |
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症状 | にきびの様なできものですが、にきびと異なり必ずしも細菌感染を伴いません。多くは、頭部、顔面、前胸部、下腹部、上背部、腕・脚などに出現します。鼻の孔や頭部など毛が生えている部位では強い痛みを伴うこともあります。 |
患者さんの訴え | ぶつぶつができてきた、にきびがたくさんできた、など |
病態・原因 | 治療開始後数日で出現、1~2 週間でピークになります。毛穴に角質がつまり、症状が引き起こされます。 |
抗がん剤名 | (具体的な薬剤名を知りたい場合は静岡がんセンターのサイトをご覧下さい) |
爪囲炎(そういえん) | |
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症状 | 爪の周囲に炎症が起こり、腫れや痛みがでて、さらに亀裂を生じ、なかなか治らないと肉芽(にくげ)が形成されます。もろくなった爪の欠損により皮膚を傷つけやすくなります。 |
患者さんの訴え | ゆび先が痛い、痛くて靴が履けない、ボタンがかけられない、字が書けない、携帯のキーが押せない、など |
病態・原因 | 爪の周りに炎症を生じ、紅斑・腫脹、亀裂、肉芽が形成されます。治療開始後1~2ヵ月ごろより出現します。治療抵抗性で長引くことが多いです。 |
抗がん剤名 | (具体的な薬剤名を知りたい場合は静岡がんセンターのサイトをご覧下さい) |
手足症候群(てあししょうこうぐん) | |
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症状 | 手のひらや足底の部分的な紅斑から始まり、荷重がかかる部位の皮膚が硬くなって腫れたりします。痛みを伴うことが多く、進行すると水ぶくれを形成したりします(急激に起こる)。 |
患者さんの訴え | むずむずする、痛痒い、皮膚が突っ張った感じ、痛い、歩けない、やけどしたみたいになった、など |
病態・原因 | 角質層が厚い、手のひらや足の裏に起こります。治療開始後2週目頃から出現し、6~9週までに見られます。 |
抗がん剤名 | (具体的な薬剤名を知りたい場合は静岡がんセンターのサイトをご覧下さい) |
皮膚乾燥症(ひふかんそうしょう) | |
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症状 | 皮膚が乾燥してかゆみを伴います。進行すると皮膚が硬く厚くなって、カサつき、手足の先端や踵などがひび割れを起こしやすくなります。 |
患者さんの訴え | カサカサします、白い粉がふきます、かゆい、ひび割れてきた、痛痒い、など |
病態・原因 | 治療後3~5 週間後に角質層の水分保持能力が低下し、著しく乾燥します。 |
抗がん剤名 | (具体的な薬剤名を知りたい場合は静岡がんセンターのサイトをご覧下さい) |