乳房再建術後の 経過とケア

術後の経過と日常生活

乳房インプラントによる乳房再建術後の経過とケア

術後2週間~6ヵ月

体の表面の傷は治っていますが、被膜は完成されていません。この時期の体の状態や気をつけたいことは以下の通りです。

それでは、それぞれについて述べていきます。

乳房インプラントの可動性について

個人差がありますが、被膜が完成されるまで約6ヵ月程度かかります。被膜が完成されていないと、乳房インプラントが体の中で動く可能性があります。日常生活には制限はありませんが、激しい運動は避けましょう。なお、寝返り程度のうつ伏せ寝は大丈夫です。

感染について

ドレーンが抜けた後も体の中に人工物が入っているので、感染に注意する必要があります。傷から細菌が入ると考えがちですが、まれに風邪をこじらせたり、むし歯や歯周病がひどかったりするなどでも体の中で感染してしまう可能性があります。
体に傷を作らない、体調を崩さないように気をつけましょう。一般的に感染時は、①38℃以上の熱が出る、②胸部が赤くなる、③痛みが出る、の3つの症状がでることが多いです。
手術した胸は感覚が鈍く、皮膚の変化に気が付かないこともあります。お風呂に入る時などに、皮膚が赤くないか、傷ができていないかなど観察をしてください。何か気になることがあれば、病院に連絡をしてください。

適切な下着について

乳房インプラントのアンダーラインは、一般的なブラジャーより横広の構造になっています。これは、本来の乳房に近い形を再現しているためです。一般的なブラジャーは、バストの形をきれいに見せるために、アンダーラインを少し締める構造になっています。乳房は軟らかいため、その締めつけ効果に対応しますが、乳房インプラントは乳房より硬いためアンダーバストのラインが術前に使用していた下着と合わなくなることがあります。

  • 乳房インプラントで再建をした乳房は、寄せられないし、上がりません。また、ワイヤーの慢性的な刺激が、乳房インプラントと挟まれる皮膚にダメージを与える場合もあります。乳房を支えることができるタイプのものがよいですが、ワイヤーのないものにしましょう
  • アンダーバストは幅広で皮膚にくい込まないものがよいでしょう

自分の乳房はいずれ垂れてきてしまいますが、下着で寄せて上げても「垂れ」の予防にはならないと言われています。