抗がん剤治療と皮膚障害

治療法について
主な皮膚障害の治療法を説明します

爪の変化・爪囲炎(そういえん)の治療

爪は手や足の動きに深く関係しています。爪の変化や爪囲炎で強い痛みなどが出現すると、物を持つ・立つ・歩行など、手足を使う動作を行うことが困難になります。速やかに主治医と相談し、専門医(皮膚科)を受診しましょう。治療は症状に合わせて薬を使用したり皮膚科的処置をしたりします。もちろん悪化予防も大切で、一般的なケアの「爪のケアについて」を参考に、爪の保清、保湿、保護を行ってください。

爪の変化

一般的には爪のケアを行います。爪が欠けたり剥がれたりしないように、また、変形した爪で皮膚などを傷つけないように気をつけてください。

爪囲炎

薬による治療

  • 肉芽(にくげ)形成がある場合 強めのステロイド剤(外用)
  • 腫れが強い場合 強めのステロイド剤(外用)+冷却
  • 細菌感染を合併した場合 短期間の抗生剤(内服)

皮膚科的処置

薬剤の治療だけでは症状が改善されない時に行います。お薬と併用して行う場合もあります。

スパイラルテープ法

爪の際に肉芽が形成されて、爪がくい込んでいる場合に行います。下図のように爪がくい込んでいる部分を爪に当たらないように、テープで引っ張りながらテープをらせん状に巻きます(医療者の指導を受けてから行いましょう)。使用するテープは伸縮性があるものを使用します。

つけ爪

アクリル樹脂製のつけ爪をつけてカバーする方法です。肉芽が爪の上までかぶるように増殖した場合に行います。特徴は痛みが速やかに軽減し、靴を履くのも苦にならなくなります。

部分抜爪(ぶぶんばっそう

爪が皮膚にくい込んで痛みがひどい時は、原因となっている爪の部分的な切除を行う場合もあります。

凍結療法(とうけつりょうほう

液体窒素(えきたいちっそ)を用いて、肉芽(にくげ)部分を凍結させて固まらせる方法です。難治性の肉芽(にくげ)に対して行います。