がんの骨への転移と
日常生活

骨転移(こつてんい)のメカニズム

では、がん細胞がどのようにして骨に転移するかについて説明します。一般的にがん細胞自身が直接骨を溶かしたり、造ったりすることはないと言われています。正常な骨は、骨芽(こつが)細胞と破骨(はこつ)細胞の協働により維持されています(骨のリモデリング(骨の代謝)を参照)。がん細胞の刺激は、この骨芽細胞と破骨細胞のバランスを崩します。まず、がん細胞の刺激を受けて、破骨細胞が活性化されます。活性化した破骨細胞はどんどん骨を溶かします。がん細胞はそこに住み着いて、溶かされた骨の栄養を吸収してさらに増殖をしていきます。

骨転移のメカニズムのイメージ図

①がん細胞が破骨(はこつ)細胞を活性化させます。骨芽(こつが)細胞と破骨細胞のバランスが崩れます

②活性化した破骨細胞は骨をどんどん溶かします。がん細胞はそこに住み着きます

③増殖したがん細胞が破骨細胞を刺激して骨転移が進行します