がん手術後のリンパ浮腫

リンパ浮腫とは?

リンパ浮腫の重要な合併症

リンパ浮腫の重要な合併症には、蜂窩織炎(ほうかしきえん)、リンパ管炎などの炎症があります。リンパ浮腫が生じる可能性がある部位に発赤、熱感、圧痛などの症状が生じた場合は注意しましょう。

もし症状が生じた場合は・・・・

  • 用手的リンパドレナージや圧迫療法を中止し、安静を心がけましょう。
  • 腫れている部分を挙上し、氷嚢(ひょうのう)などで冷やしましょう。
  • 冷却スプレーの使用や冷湿布を貼ることはやめましょう。
  • かかりつけの医療機関に相談しましょう。

ワンポイントアドバイス(1)―あしの冷却について―

身体の熱を取るために冷凍された保冷剤(アイスパック)を使用する事がありますが、保冷剤が硬いうちは身体に密着しません。炎症がある時はできるだけ炎症部位全体を冷やした方が良いので、氷嚢(ひょうのう)で冷やしましょう。ビニール袋で代用することもできます。

ここで突然ですが・・・・
リンパ浮腫の合併症のうち確実な診断と的確な治療・処置が必要になるリンパ管炎や蜂窩織炎について、大切なことですので皮膚科医の立場からもう少し詳しく解説をします。

リンパ管炎・蜂窩織炎について

リンパ浮腫の重要な合併症には、リンパ管炎や蜂窩織炎があります。これらは、リンパ浮腫の状態にある箇所にケガや虫刺されなどによって起こる炎症、感染によって引き起こされます。前述しましたように、確実な診断、的確な治療・処置が必要です。発赤、熱感、圧痛などの症状がある場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

受診を前提にした応急処置について

リンパ管炎や蜂窩織炎に対する自己判断の処置は状態の悪化を招きかねませんので、決してお勧めできることではありません。よって、受診を前提に「とりあえずの応急処置」についてお伝えします。

  • リンパ浮腫の部分が広い範囲で淡く赤い(び慢性紅斑)、その部分が熱っぽい(局所熱感)。しかし、明確な痛みは感じない。〔軽症〕

    普通の石鹸と素手でやさしく洗浄したのち、症状のある脚(あし)を拳上しましょう。この場合の冷却は「冷水で流す」、「濡れタオルで冷やす」を行って下さい。その他には荷重や運動、入浴を避けましょう。

  • び慢性紅斑が強い。または紅斑が細い線状に長い。明らかな痛みがある。または押して痛いところ(圧痛)がある。〔中等症〕

    ①に加え、痛みのあるところは氷嚢で冷やしましょう。また、安静臥床(あんせいがしょう)を要します。

  • 紅斑に加え、紫斑や水疱(すいほう)形成がある。全身的な発熱がある。〔重症〕

    直ちに受診しましょう。消炎鎮痛剤や抗生剤の投与、時には入院を必要とします。