がん手術後のリンパ浮腫

リンパ浮腫の治療法

③リンパ液の流れをよくする運動(適度な運動)

腕の関節を動かすことで、リンパ液の流れをよくすることができます。腕を動かすと筋肉は収縮と弛緩を繰り返します。その筋肉の収縮と弛緩の動きはリンパ管にも作用して、リンパ管内のリンパ液が一定方向に押し出され、結果としてリンパ液の流れがよくなります。これを「筋肉のポンプ作用」と言います。すでにリンパ浮腫と診断がされている方は、弾性包帯や弾性着衣を着用し、圧迫を加えた状態で腕の関節を動かす運動を行います。これを「圧迫しながらの運動」と言います。筋肉のポンプ作用に外から圧迫を加えると、この筋肉の収縮作用と圧迫の相乗効果でリンパ液の流れはいちだんとよくなり、むくみの状態が改善されやすくなります〈図4〉。

図4:筋肉のポンプ作用と圧迫の効果

また、リンパ浮腫がある関節は動かしにくい状態にありますが、むくみによって制限された関節の動きを改善するなどの効果も期待できます。

「圧迫しながらの運動」は、ゆっくりした動作で行う事がポイントです。疲れすぎないように適度に行ってください。また、必ず医療者の指導を受けてから行ってください。