がん放射線治療の
概要
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- がん放射線治療の概要
- 放射線治療の副作用(有害事象)と対策
- 照射した部位で出現する症状とその対策
- ②頭部(脳、頭皮、など)
放射線治療の副作用(有害事象)と対策
放射線治療の副作用(有害事象)対策について
照射した部位で出現する症状とその対策
②頭部(脳、頭皮、など)
照射方法:体外照射
脳は生命維持、運動、感覚、知的活動など、人の体の全体をコントロールしているとても重要な臓器で、領域ごとに役割があります。そのため出現する副作用の症状は、脳のどの部分に当たるかによって異なります。
また、脱毛は放射線が当たった範囲で起こることがあり、耳に当たれば、耳にも影響が及ぶ可能性があります。
耳の清掃
耳に放射線が当たった場合、耳への刺激を避けるために耳かきを強く行わないようにしましょう。
毛髪の脱毛
頭皮に当たった範囲で脱毛が起こることがあります。一般的に治療を開始してからおよそ2~3週間後に抜け始めます。多くの場合、治療の終了後3~6か月経過すると生え始め、6か月~1年程度でほぼ回復します。放射線の線量が少なければ脱毛しない場合がありますが、たくさんの放射線が頭皮に 当たると永久脱毛になる場合もあります。
《頭皮と髪の毛のケア》
毛が抜けることを気にして、洗髪をためらうこともあるかもしれませんが、不潔な状態でいると皮膚の炎症がひどくなる場合もありますので、頭皮は清潔にしておくことが大切です。
治療終了後1か月程度は下記の注意が必要です。
- 洗髪時のお湯はぬるま湯にして、頭皮や髪をよく濡らしてから洗いましょう。シャンプーは、痛みやしみることがなければ変える必要はありません。ただし、使用する時には泡立ててください。しみたりする時期は、シャンプーを使用しなくてもよいでしょう。
- 爪をたてずに指の腹でゆっくりていねいに洗いましょう。
- シャンプーが地肌に残らないようにていねいに流しましょう。
- リンスやトリートメントは、毛先に少量つけるようにしましょう。
- 洗髪後はタオルでゴシゴシこするのではなく、水分を吸収させる感じで押さえるようにやさしくタオルをあてましょう。ドライヤーの使用はできるだけ控え、使用する時は、低温・弱風または冷風にしましょう。
- 脱毛をしている部位のブラッシングは、刺激にならないように頭皮にブラシが当たらないようにしましょう。難しい場合は手ぐしにしてください。
《ウィッグ(かつら)や帽子などの活用について》
ウィッグ(かつら)や帽子、バンダナなどでカバーすることができます(脱毛への備えを参照)。ただし、頭皮に皮膚炎が生じている時は、頭皮への刺激を少なくする必要があります。通気性のよくないウィッグは蒸れることがありますので、可能な限りウィッグをつけない時間を作りましょう。
帽子やバンダナは「付け心地のよさ」を考慮して、頭皮に刺激の少ない素材のものがよいでしょう。
認知機能低下
晩期反応の一つで、広範囲の脳に放射線が照射された後、数か月から数年経過して、意欲の低下、注意力・集中力の持続低下、理解力・判断力の低下、記憶力の低下などの認知機能の障害が起こることがあります。なお、症状ががんによるものなのか晩期反応なのか判断するために検査が必要になります。
- 以前よりもやりづらくなったこと、気力の低下が持続している状態であることなどを率直に伝え、状態に応じたサポートを受けましょう。周りの方は、できないことや危険回避を重点的にサポートしてください。
- あせらないで繰り返しの日々を積み上げていきましょう。
- 大事なことは紙に書いて貼っておきましょう。その際は情報量が多くならないように、重要なものだけを簡潔に書くようにしましょう。