がん薬物療法の
概要

がん薬物療法の副作用について

がん薬物療法の副作用とは?

使用する薬と副作用の種類と症状

一般的に抗がん剤の副作用と言いますと、「毛が抜ける」、「気持ち悪くなる」、「体の抵抗力が弱くなる」などが連想されると思いますが、全ての薬で同じ副作用が出現するわけではありません。また、薬によって出現しやすい副作用があります。なぜなら、抗がん剤にはいくつかの種類があり、それぞれがんを攻撃する方法(メカニズム)が異なるからです。ここでは、「殺細胞性(さつさいぼうせい)の抗がん剤」、「分子標的薬(ぶんしひょうてきやく」、「がん免疫治療薬(めんえきちりょうやく」、「ホルモン療法薬」について述べていきます。

●殺細胞性(さつさいぼうせい)の抗がん剤と主な副作用●

殺細胞性の抗がん剤は、細胞分裂が活発な細胞に作用します(薬の種類と特徴を参照)。従って正常細胞でも細胞分裂が盛んなところに障害が起こりやすくなります。主な副作用は、吐き気・おう吐、骨髄抑制(こつずいよくせい)、脱毛、口腔粘膜炎、下痢、便秘、肝機能障害、腎臓・膀胱障害、末梢神経障害などで、症状が出現する時期はある程度予測することができます。

《副作用の種類と症状(イメージ図)》

●分子標的薬(ぶんしひょうてきやく)と主な副作用●

分子標的薬は、薬の標的がピンポイントで決まっていますが、その標的はがん細胞だけではなく、正常細胞にも存在します。標的が決まっているので、薬の種類によって特徴的な副作用が出現します。主な副作用は、発熱、皮膚障害、肺障害、高血圧、肝機能障害、下痢などで、症状の出現時期には個人差があります。

《副作用の種類と症状(イメージ図)》

●がん免疫治療薬(めんえきちりょうやく)と主な副作用①●

免疫治療薬は自分自身の免疫機能が過剰に働いて、自己免疫疾患のように、正常細胞も攻撃を受けてしまうことがあります。主な副作用は、皮膚障害、肺障害、甲状腺機能障害などで、症状が出現する時期は予測困難です。

《副作用の種類と症状(イメージ図)》

●がん免疫治療薬(めんえきちりょうやく)と主な副作用②●

免疫治療薬の治療で、重篤な副作用が発症する頻度は低いですが、新しい治療法なので、どのような症状に注意が必要か、具体的に挙げます。
下記の表で赤字になっている症状がある時は、かかりつけの病院に電話相談しましょう。

  症状・状態
意識・全身の症状 ボーっとして、集中力が落ちた感じがある、眠気が強い
動悸やめまい、ふらつきがある(手足のふるえ)
だるさを強く感じる、だるくて動けない
呼吸の症状 明らかに咳が増えた、息切れを強く感じる、発熱がある
安静時も息が苦しい
お腹の症状 下痢(水様便)が続いている(1日7回以上)、ふらふらする
下痢で腹痛や便の色(血性)に変化がある
高血糖の症状 異常にのどが渇く、多飲、多尿である、ボーっとしている状態が続いている
皮膚・粘膜の症状 皮膚に発疹が広範囲にある、目が充血している、口腔粘膜炎で我慢できない痛みがある、発熱がある

●ホルモン療法薬と主な副作用●

患者さんのイラスト

ホルモンの生成や分泌が抑えられるので、更年期障害(ほてりやのぼせ、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)など)、肝機能障害(だるさ、黄疸など)、勃起(ぼっき)不全などが主な副作用で、症状の出現時期や程度は個人差があります。