がん薬物療法の
概要

がん薬物療法を受ける前の準備

副作用を上手に乗り切るためのコツ1

薬物療法はがん細胞だけに作用するのではなく、正常細胞にも作用しダメージを与えます。これを副作用と言います(詳細はがん薬物療法の副作用についてで述べます)。副作用の症状や程度は、使用される薬の種類や量、患者さんの身体状況により異なりますが、避けることはできません。できるだけ体や心への負担をかけず、治療を継続させるために、出現する症状や日常生活への変化に備えることが大切になります。 そこで、薬物療法を受ける前の心構えや準備をした方が良いポイントについて説明します。

それでは、各項目についてもう少し説明いたします。

日常生活の中で治療を継続させるための準備

《家族内での役割分担》

初期意を洗うイラスト

治療中は体調を崩してしまうこともあります。
例えば、主婦であれば家事等ができない場合もあります。
家庭の中での患者さんの役割を整理し、その代行者を決めておくと良いでしょう。

《一人暮らしの場合》

一人暮らしの場合は、何かあった時に頼れる人を確認しておくと安心でしょう。

《仕事の調整》

お仕事をされている方は、職場との調整をしておきましょう。
なお、一人で調整するのが難しい場合は、医療者や治療を受けている病院内の相談室に相談してみましょう。

通院方法の確認

バスのイラスト

抗がん剤の種類によって、抗アレルギー薬の投与が同時に行われることがあります。その場合、治療直後に車の運転はできません。通院のサポートの確保や公共交通機関の確認をしておきましょう。
また、体調が悪い時の付添者や夜間に体調が悪くなった時の交通手段についても確認しておくと安心です。

体調管理と持病の管理

《体調管理》

治療前には体調を崩さないことが大切です。自分の体調を記録する習慣を身につけておくと、 体調の変化のパターンをつかみやすくなります。

《持病の管理》

薬イラスト

高血圧や糖尿病などの持病がある場合は、持病のコントロールができていないと治療に支障をきたすこともあります。
必要な薬は忘れずに服用して下さい。

禁煙

タバコのイラスト

タバコは肺の障害を起こしやすくしますので、禁煙を強くお勧めします。
禁煙が難しい場合は、医療者に相談して下さい。
施設によっては禁煙外来がありますので、そこを紹介してもらっても良いでしょう。

節酒(できれば禁酒)

お酒のイラスト

お酒は肝臓に負担をかけます。
また、消化管の粘膜への刺激があり、副作用が強くなる可能性があります。
節酒に心がけ、できれば禁酒して下さい。

お口のお手入れ(口腔ケア)

歯科医のイラスト

虫歯や歯周病は、体の抵抗力が落ちると感染の原因にもなります。
治療が始まる前に、歯科受診をして必要な治療を受けたり、口腔内のクリーニングや口腔ケアの方法を習得するようにしましょう。
また、歯みがきと口の中を観察する習慣を身につけて下さい。

感染予防習慣の習得

抗がん剤治療の副作用で体の抵抗力が弱くなる時期があります。
日頃より、感染予防の習慣を身につけておきましょう。

  • 手洗い
    帰宅後、トイレ後、調理や食事の前 など
    (詳細は手洗いの手順を参照)
手洗いのイラスト
  • うがい
    帰宅後(がらがらうがい)
    起床直後(ぶくぶくうがい) など
うがいのイラスト
  • 歯みがき
    食後(就寝中は唾液の分泌量が減り、汚れやすいので寝る前の歯みがきはより丁寧に行うと良いでしょう)

皮膚や爪のケア

皮膚や爪のトラブルは、痛みやかゆみなどの症状の他に外見上の変化を起こしますので、身体的・精神的に苦痛や負担となります。皮膚や爪のトラブルを少しでも軽くするためには、スキンケアが大切になります。
スキンケアの基本は、「清潔に保つ(保清)」、「適度な潤いを与える(保湿)」、「刺激からの保護」の3 点です。
皮膚や爪のケアに馴染みがない方は、最初は戸惑うかも知れませんが、大切なことですので慣れていって下さい。

〈清潔に保つ〉

〈適度な潤いを与える〉

〈刺激からの保護〉

脱毛、薄毛への備え

かつらの写真

脱毛や薄毛の程度は使用する薬の種類や使用量などによって異なりますが、医療者から脱毛や薄毛の話がありましたら、備えを行った方が良いでしょう。

  • 自分のヘアスタイルの写真を前後左右から撮っておきましょう(治療前にかつらを作れなかった時に役立ちます)
  • かつらや帽子、スカーフ、バンダナなど、自分の生活スタイルに合うものを準備しましょう
  • まつ毛や眉毛も抜けてしまう事がありますので、カバー方法について情報を収集しておくと良いでしょう。また事前に顔写真を撮っておくと、メイクをする時に参考になります
カメラのイラスト