①皮膚のお手入れ（スキンケア）

リンパ浮腫がある皮膚は、傷つきやすい状態にあります。また、皮膚が乾燥しているとひび割れなどをおこし、そこから細菌が侵入して炎症を起こしやすくなります。そこで、日頃から皮膚の清潔と保湿を維持し、ケガ、虫刺され、日焼けの予防を心がけましょう。

清潔

皮膚の洗浄を丁寧にしましょう

• 丁寧に洗ってください。ゆびとゆびの間、爪先なども丁寧に洗いましょう。

• 靴下や靴による蒸れに気をつけましょう。

皮膚の保湿

皮膚に潤いを与えましょう

• 保湿に対するケアは入浴やシャワー浴後に行うと効果的です。
• クリームやローションの選び方は下の表を参考にしてください。
• 角質を軽石やヤスリなどでこすり落とすようなことはしないようにしましょう。

水虫の予防と対応

清潔を保ちましょう

• ゆびがむくむとゆびとゆびが密着しやすく、水虫になりやすい状態になります。
• 靴下は木綿や毛などの通気性の良い素材のものを選びましょう。
• バスマットはこまめに洗い、日光に当ててよく乾かし清潔な状態で使いましょう。できれば毎日取り換えましょう。

ケガの予防と対応

ケガに注意しましょう

• 傷をつくらないように、長袖、長ズボンなどを着用するなど、予防を心がけましょう。
• ケガをしてしまったら、流水と石鹸で汚れや異物が残らないように丁寧に洗浄しましょう。
• 爪を切る時は深爪をしたり甘皮をはいだりして、皮膚を傷つけないようにしましょう。

虫刺されなどの対応

掻かないようにしましょう

• 刺されないように予防が大切です。例えば、長袖、長ズボンなどを着用し、できるかぎり皮膚の露出をさけましょう。また、草むら、竹やぶなど虫に刺されるような所に行くことも避けましょう。
• 皮膚に異常がなければ、虫よけスプレーを使用してもよいでしょう。
• 万が一刺された場合は、流水で汚れや異物を洗い流し、腫れている場合は氷嚢（ひょうのう）などで冷やします。トゲや異物が残っている場合は、自分で取らずに医療機関で取ってもらいましょう。
• かゆみがある時は、痒み止めを塗りましょう。

日焼けに注意しましょう

皮膚の負担防止です

• 日焼けを避けるために、家に閉じこもる必要はありませんが、外出時は皮膚の露出はできるかぎり避けましょう。
• 皮膚が赤くなった場合は、しっかり冷やして、ほてりを取りましょう。

除毛や剃毛（ていもう；毛を剃ること）について

無理は禁物です

• リンパ浮腫が生じている部位では多毛症になることがあります。その場合、毛の処理では小さな傷を負いやすいカミソリは使用しないで、電気シェーバーなど皮膚に負担の少ないものを使用してください。
• 脱毛クリームの使用、永久脱毛はトラブルのもとになりますので、必ず医療者に相談してください。