がん放射線治療の
概要
放射線治療の副作用(有害事象)と対策
放射線治療の副作用(有害事象)対策について
照射した部位で出現する症状とその対策
①皮膚
照射方法:体外照射
皮膚は全身を覆っている臓器です。体外照射では、どの方向から照射しても皮膚には必ず放射線が当たりますので、皮膚への影響は避けられません。
皮膚炎
放射線治療の開始から2~3週間後くらいから、放射線が当たった範囲の皮膚に赤みやかゆみ、痛みなど、日焼けのような症状が出現します。
症状は治療終了後徐々に落ち着いてきますが、色素沈着や皮膚の乾燥、かゆみが残ることもあります。皮膚のびらんや痛みが強くなるなど炎症症状がひどくなった場合は、皮膚の保護や炎症を抑える軟膏などを使用したりします。いずれの場合も医療者と相談しながらケアを行っていきましょう。
《スキンケア》
皮膚炎の重症化を防ぐためには、「保清」、「保湿」、「保護」のスキンケアが大切です。また、適切なケアを行うために皮膚の観察を行いましょう。
- 照射部位を洗う時にはこすらず、石けんの泡でやさしく洗いましょう。皮膚の赤みが強くなったら石けんを使用するのは避けた方がよいでしょう。
- 入浴やシャワー時は熱いお湯(40℃以上)は避けましょう。
- 保湿に使用するクリームや軟膏、ローションは、医療者に相談してから使用したほうが無難です。また、使用時には、マーキングした上には塗らないようにしましょう。
- 照射部位が下着などで擦れると刺激になります。下着などは、生地の素材や縫い目の状態など確認し、刺激となりにくいものを選びましょう。また、照射部位の圧迫を避けられるものにしましょう。
- 外出する時は、照射部位の皮膚の露出は避けましょう。また、ぶつけたりケガをしないように気をつけましょう。
- 照射部位には湿布や絆創膏などを貼らないようにしましょう。また、かゆみがあっても掻かないように気をつけましょう(かゆみ止めなどの塗り薬を処方してもらいましょう)。
《症状悪化時の処置》
- 医療者の指導どおりに皮膚の保護や軟膏等の処置をしてください。