がん薬物療法の
概要

がん薬物療法について

がん薬物療法の効果判定

がん薬物療法の効果判定は、がんの増殖が抑えられたか(または縮小されたか)、辛い症状が軽減されたかなど治療の目的も考慮して総合的に判断されます。がんの増殖が抑えられれば(または縮小されれば)、延命や時には治癒(ちゆ)につながりますし、症状が軽減すれば、生活の質を維持することにつながります。
効果判定のためには、X線、CT(コンピューター断層撮影)、MRI(磁気共鳴画像診断)、超音波検査(エコー検査)などの画像検査や腫瘍マーカー*(血液検査)を確認します。薬物療法は投与直後に結果がわかるものではありませんので、これらの検査は治療開始後2か月前後で行われることが多いです。
また、がんの薬物療法では、「副作用をなるべく抑え効果を最大限に得る」ことが大きなポイントになります。従って、がんの縮小効果や症状の軽減の他にも、副作用を評価していくことも治療継続の可否を判断する上では大切になります。

CTのイラスト

*腫瘍マーカーとは・・・がん細胞から血液内に放出されるさまざまな物質。
がんの種類別にそれぞれの腫瘍マーカーが設定されていて、治療前に高値であれば、治療効果の判定に有用です。

画像検査などでがんが消え、がんの治療が上手くいったように見えても、目に見えなかったがんが残っていると、がんは再び大きくなったり、違う場所に同じがんが出現したりします。これを「再発」と言います。仮にいったんがんが消え、治療が終了しても、がんの種類にもよりますが、治療終了後5~10年経過をみていくのが一般的です。

こちらも参考に

薬の相互作用について

がん薬物療法中は、抗がん剤とその他の薬との組み合わせに注意が必要な場合があります。それは薬の効果や副作用の出現に影響がでる場合があるからです。
がん薬物療法を受ける時、現在服用している薬についてはチェックされると思いますが、がん薬物療法中に他の治療を受ける時は、必ずがんの薬物療法中であることを伝えてください。
また、抗がん剤を服用する時には、食べ物や飲み物にも注意が必要になる場合があります。心配なら一度医療者に確認してもよいでしょう。
サプリメントについても注意が必要な場合がありますので、使用する前に医療者に相談するとよいでしょう。

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