がん薬物療法の
概要

がん薬物療法について

がん薬物療法とは?(概要)

がん病巣に対して、薬で治療を行う方法を「がん薬物療法」と言います。どのような治療か、まずはイメージをつかみましょう。

薬物療法は全身療法です

薬物療法には大きく、内服する方法(飲み薬)と注射をする方法があります。
どちらの方法でも血液を介して全身に運ばれますので、薬物療法は全身療法になります。

薬物療法の全身療法に対し、手術や放射線治療はがん病巣のみを対象としますので、局所療法になります。

標準治療に基づいて行われます

薬物療法の説明を受けられる時などに、「〇〇療法」、「△△レジメン」という言葉を耳にされると思います。がんの薬物療法は、標準治療(現時点での最良の治療:臨床試験についてを参照)に基づいて行われます。しかし患者さん一人ひとり、年齢や体力、持病の有無など体の状態は異なりますので、患者さんによって多少変更される場合もあります。

がんの種類によって使用される薬は異なります

使用される薬は、がんの種類によって異なります。また、薬の効果もがんの種類によって異なります。

投与方法にはいくつかの方法があります

抗がん剤の投与方法には、内服(経口)、注射(静脈、動脈、皮下)やカテーテルと呼ばれる管を血管内に通し、がんの近くまで運び抗がん剤を注入する方法などがあります。内服の場合は飲み忘れに注意しましょう。
また、1種類の薬で治療を行う場合もありますが、多くの場合はいくつかの薬を組み合わせて治療が行われます。これを多剤併用(たざいへいよう)療法と言います。どちらの場合も投与スケジュールが決められています。
また、手術や放射線治療と組み合わせて行われることもあります。

手術・放射線治療のイラスト

効果も副作用も個人差があります

薬物療法の効果は、がんの種類のほか、患者さんの体の状態や治療状況(予定通りに治療が行われたかどうか)にも影響を受けますので、個人差があります。
また薬物療法の副作用も避けることができませんし、副作用の症状や程度などにも個人差があります。副作用については「がん薬物療法の副作用について」を参照してください。

安全に継続することが大切です

患者と医療者のイラスト

効果も副作用も個人差がありますが、薬物療法では、副作用を上手にコントロールし、副作用で命が脅かされることがないように、安全に継続することが大切です。何か気になることがありましたら、がまんや遠慮をせずに医療者に相談するようにしてください。