落ち込んでいる家族にどう接したらいいでしょうか?
言葉を口にするだけではなく、黙って見守ることもとても大切なことです。
患者さんが死について口にした時、思わず「そんなことを言ってはダメだ」と否定したり、「前向きに考えよう」と励ましたりしてしまうかもしれません。
それは正論ではありますが、患者さんからすると“この人は自分の気持ちをわかってくれない”と感じてしまうのではないでしょうか。
同じように、「そんなことを悩んだってしょうがない」、「気分転換しなさい」といった言葉も、患者さんには“これ以上は聞きたくないんだな”というメッセージに聞こえることがあります。
逆に、上辺だけで「わかるよ」という言葉を繰り返しても、かえって相手を不快にすることもあります。
患者さんのこころの中は、“このつらさを、わかってほしい”という気持ちと、“わかってもらえるはずがない”という気持ちが、しばしば混じりあっているのです。
落ち込んでいるときには、黙って見守ることも大切です。
そして、患者さんが思いや希望などを口にされたときには、まず相手の話にしっかり耳を傾けましょう。
時間をかけて、つらい時を共有することで生まれる「信頼」は、きっと強い支えになるはずです。