放射線治療と口腔粘膜炎
・口腔乾燥

その他の合併症について
簡潔にお伝えします

味覚障害

味を感じる組織(味蕾;みらい)は放射線の感受性が強く、放射線治療の影響で味の変化や消失などの味覚障害が発現しやすいです。また、唾液(だえき)には食べ物の味(味質)を味蕾(みらい)に届ける作用もあるため、唾液の分泌量が低下するとその影響で、味を感じにくくなるとも言われています(二次的原因)。一般的には味覚は、治療が終了して半年間かけて徐々に回復します。

唾液の豆知識

ここで、意外と知られていない唾液の働きについてまとめておきましょう。

唾液の働き(1);唾液と食事

唾液は食物に適度な湿潤を与え、食物のパサパサ感をやわらげたり、デンプンを消化する働きがあります。また、味質を味蕾に届ける作用があります。

唾液の働き(2);口の中と歯を守る

口の中の粘膜に被膜を形成し、表面を滑らかにし、粘膜が傷つきにくいようにしています。また、歯の表面や口腔内を洗い流して口腔内をきれいにしたり、口の中の酸性度を弱アルカリ性に維持して、歯が溶けないようにして、口の中と歯を守っています。唾液には多少の殺菌・消毒作用があるとも言われています。

だから口が乾くと・・・

「飲み込みづらい」、「味がしない」、「口の中がべたべたする」、「しゃべりづらい」、「ヒリヒリ痛い」、「むし歯になりやすくなる」、「口が臭う」、などの困ったことが起きます。

「唾液」って少し汚いイメージがありますが、大切ですね。