抗がん剤治療と末梢神経障害

神経系の概要 末梢神経障害を理解するために

神経系とその役割

神経系には中枢神経系と末梢神経系があります(図1)。中枢神経系とは脳と脊髄のことで、全身から集まってくる情報を処理し、指令を発信しています。

(図1)中枢神経系と末梢神経系のイメージ図

赤色で示した脳と脊髄が中枢神経系です。

中枢神経系から出ている黒い線末梢神経系です。
末梢神経は脊髄の中、あるいはその周辺から出て、全身の隅々までに張り巡らされています。

一方、末梢神経系は中枢神経系と体の各部を結び、機能としては、中枢神経系から発信された指令を伝えること、体の各部からの情報を中枢神経系に伝えること、そして体温や血圧、内臓の機能を調整することなどがあります。そして、役割によって「運動神経」「感覚神経」「自律神経」の3種類に分類されています(表1)。眼に見える末梢神経系の束は、これらの神経が混在しています。

(表1)末梢神経の働き
運動神経 中枢神経系からの指令を伝え、全身の筋肉を動かします。
感覚神経 触覚、痛覚、温度覚などの皮膚感覚や位置覚(自分の体の位置や姿勢を感じる)、振動覚(振動を感じる)などを中枢神経系に伝えます。
自律神経 体温や血圧、内臓の機能(消化、排泄等)などの調整をします。