抗がん剤治療と末梢神経障害

がん薬物療法と末梢神経障害 我慢をしないで早期に対処しましょう

がん薬物療法中に起こる副作用の中で、「吐き気」「嘔吐(おうと)」「脱毛」などは多くの薬剤で起こりやすい副作用です。それに比べて「末梢神経障害」が起きる薬剤は限られています。さらに、症状の出現は総投与量との関係が深く、出現する症状は薬剤によって異なり、回復には長い時間が必要なことがあります(起こしやすい薬剤は末梢神経障害を起こしやすい抗がん剤についてを参照して下さい)。

末梢神経障害では多くの症状が出現します。そして、「手先・足先がしびれる」「ジンジンと痛む」「感覚が鈍い」「耳が聞こえにくい」などの感覚障害、「手や足に力が入らない、動かしにくい」「足先が垂れて、つまずきやすい」などの運動障害、「便秘」「お小水がでにくい」などの自律神経障害という三つに分けることができます。これらの症状は、「命に関わること」はほとんどありませんが、患者さんの日常生活には大きな影響を及ぼします。

末梢神経障害の初期症状は患者さんからお話ししていただかないと、医療者は気が付かないことがあります。また、患者さんも症状を自覚されていても、初めのうちは我慢ができたり、治療の中断を不安に思い医療者に話をしない場合もあるようです。しかしながら、これら末梢神経障害の症状は、我慢をしても回復はしません。また、症状が重くなると薬を減量または中止しても症状の回復が不十分なこともよく経験します。
残念ながら、現在のところ抗がん剤による末梢神経障害を防ぐ有効な方法は確立されていません。しかし症状をやわらげるなどの対処をすることは可能ですので、手足のしびれ感や力が入りにくいなどの症状を自覚したら、我慢をしないで主治医に早めに相談するようにして下さい。