手術後すぐに歩いた方がいいのはなぜですか?

最近では「早期離床」といって、手術後のなるべく早い時期からベッドを離れて体を動かすことが推奨されるようになりました。これには術後の合併症を防ぎ、回復を早めるためという理由があります。

胃がんの開腹手術の後に起きやすい合併症のひとつに腸閉塞があります。腸閉塞とは、小腸や大腸が何らかの原因でふさがってしまって、食べ物やガスなどが通らなくなった状態を言い、おなががはったり、腹痛、吐き気やおう吐などの症状を招きます。
腸閉塞が開腹手術の後に起こりやすいのは、術後に腸同士や腸と腹壁がくっつく「癒着」が起こり、癒着した部分を中心に腸が曲がったりねじれたり、ほかの腸が圧迫されて腸がつまることがあるためです。
この癒着を防ぐために早い時期から体を動かし、腸の動きを促します。
しかし、患者さんにとっては手術直後は一番痛みのある時ですから、医師の指示通りに自力で歩くことは難しいかもしれません。そんな時は担当医や看護師に自分の状態を正直に伝えてください。痛みのコントロールなど、あなたにまず必要な対応をとってもらえるはずです。

閉じる